『ネバー・セイ・ネバー・アゲイン』で、ウオーター・スキーを楽しんでいた美女ファチマは、誤ってボンドの腕の中へ飛び込んでしまう。
FATIMA: Oh, how reckless of me. I made you all wet.
BOND: Yes, but my martini is still dry. My name is James.
「あら、私ってなんて向こう見ずな。あなたをすっかり濡らしちゃって」
「ええ、でもマティ−ニはドライのままです。ジェームスです。よろしく」
-『ネバー・セイ・ネバー・アゲイン』(Never Say Never Again 1983年 監督:アーヴィン・ケーシュナー/脚本:ローレンツオ・センプルJr.)
ジンにしろ、ウオッカにしろ、ドライ・ベルモットを少し入れるだけで、どうしてあんなに美味しいカクテルになってしまうのか?ボンドは飲み物に関して具体的な注文をする。
"A Martini. Shaken, not stirred." のマティーニは世界的に流行した。普通、マティーニはジンにドライ・ベルモットを少し入れ、ステアだけでシェークしない。それを、ウォッカでシェークしてというところがボンド流。ほかの映画で、ジェームス・jボンドは、
“Vodka martini, please. With a slice of lemon peel.”
「ウォッカ・マティーニにレモンの皮を入れて」
と注文している。マティーニほどエピソードの多いカクテルはほかにない。
(原島一男/はらしまかずお)
初出:「WIN-WIN交渉術」ガレス・モンティース/佐藤志緒理 清流出版(株)p42

